宝石言葉 不屈、純潔、恋の勇気、永遠の絆

婚約指輪で選ばれる理由は様々ですが、やはり「永遠に誓う愛の証」を表す素材としてダイヤモンドが選ばれています。
ダイヤモンドという言葉は、ギリシャ語のアダマス(征服されざるの意)が語源です。
自然界で最も硬い物質であることから、こう呼ばれたのでしょう。
自然からの贈り物、この美しい輝きを身に着けると心が純粋に、そして安らかになると言われています。
歴史
ダイヤモンドは、1725年ブラジルで発見されるまでは、インドが唯一の産地でした。
インドでは紀元前800年にはすでにお守りとして尊ばれ、価値あるものだったようです。
その後、ペルシャのインド侵略を契機にダイヤモンドがヨーロッパに伝わっていったといわれます。
カット
17世紀の中頃にマザランによってブリリアントカットの原形が発明され、改良が加えられていきました。
ブリリアントカットは、原石のロス率が50%またはそれ以上にもなりますが、ダイヤモンドの美しい輝きが引き出せる画期的なものです。
価値
ダイヤモンドの価値は、美しい輝きと稀少性で決まります。
美しい輝きは素材の善し悪しとカットでその程度が決まります。
また、稀少性について、重量(カラット)色(カラー)内包物やキズ(クラリティー)を確かめる必要があります。
◆ ダイヤモンドに直撃インタビュー ◆
喜連川宝石研究所 所長 喜連川純氏著
「エンゲージリングは左薬指に」はうそ
今日は宝石の王様と言われているダイヤさんに、直接お話をおうかがいできるということで、胸を躍らせてやってまいりました。
こういう機会はめったにないと思いますので、日頃思われていることをきたんなくお話頂けたらと思っております。
では、さっそく、世界で一番多くあなたを使っている、エンゲージリングのお話からお聞かせください。
「そうですね!日本の方は婚約・結婚の指輪というと、みなさん「左の薬指に」が常識になっていますが、それはカトリック社会でのこと。
ロシヤとかギリシアつまり東方正教会では、「キリストが右手を使って癒しの奇跡を起こし、多くの人々を救った」ことに由来して、右手の薬指にはめております。
そのことは十字を切る順序からもお分かりになると思います。
カトリックでぇあ、額→胸→左肩→右肩の順で十字を切りますが、このときはリングを左薬指に。
東方正教会は額→胸→右肩→左肩の順で十字を切り、この場合はエンゲージリングを右の薬指にはめております。
こんどテレビや映画でそういう場面がありましたら、注意してご覧になると、その人物の宗教観も伺い知ることができ、より深く映像に対する理解が得られることと思いますよ。
もっとも、日本のように、宗教に関係なく左薬指にはめる国があるかとおもえば、ドイツみたいにキリスト教諸派併存の土地柄のせいか、はたまた反骨精神の強い国民性によるものか、右手薬指にはめている人が多いところもありますが・・・。」
いやー、それは知りませんでした。
私はてっきり、全世界同じように、左の薬指にはめているものとばかり思っていましたので・・・。
ところで、ぶしつけな質問で恐縮ですが、いつまでも美しい状態で楽しんで頂くために、少しあなたの体質についてお話頂けないでしょうか。
◆ 私の体の秘密とお客様に伝えたい本音 ◆
「ああ、結構ですよ。お話しましょう。
その前に、ちょっと話が横道にそれますが、パリに「ラ・ペルース」という高級レストランがありまして、ここはもともと貴族の館でしたが、レストランに改造し、日本でいう宗谷海峡(ラ・ペルーズ海峡・1787年)を発見した彼の偉業をたたえ、店にその名をつけたといういわくのある店です。
ここの鏡の間の鏡が見るも無残な引っ掻き傷だらけなのです。
その理由は、昔、ここの重任がプレゼントされたダイヤが本物かどうか確かめるために、その指輪で鏡を引っ掻いてみたのが始まりで、いまではレストランのお客が、らくがき仕放題みたいにして自分のダイヤを試している結果そうなったということです。
ご承知のように、ガラス切りにはダイヤを使っていますね。
ガラスはモース硬度5で、ダイヤモンドは硬度10ですから、傷つくのは当然のことですし、ダイヤ、つまり私が数ある宝石のなかで、もっとも硬いのも事実です。
しかし、10のなかにも幅があって、固い0から軟らかい10までありますし、私自身にも、木や竹が縦よ横と硬さが違うように、方向によって違う硬さをもっております。
つまり、ブリリアント・カットでいうと、いちばん広いテーブル面は柔らかい0で、そのすぐ横の斜面にある五叉路の角が固い0というわけです。
この角で別のダイヤのテーブル面をこすると、たちまち傷なしが傷ありの評価になってしまいますので、絶対にダイヤどうしくっつけないようにして下さい。
ましてや、海賊船の宝石箱のように、ガチャガチャに宝石をしまいますと、どの宝石も、みな、さきほどのラ・ペルーズの鏡みたいになってしまいますので、宝石どうしがくっつかないようにお願いしたいものです。
また、ダイヤは硬いから、割れたりヒビが入ることはないと思われがちですが、衝撃には弱いので、ぶつけたり落としたり絶対しないで下さい。
鑑定書のクラリティの項目も、お客様の持ち方保管の仕方しだいで、当然、東急が下がってきます。
鑑定書はお買い求めになったときの状態を表しているもので、こと”キズに関しては流動性のあるものだ”ということがお分かり頂けたでしょうか。」
なるほど、そのほか火事にも弱いと聞きましたが・・・。
「ええ、私は炭素でできているので・・・。でも桐の箱に入れておしまいになると、火や煙が通りにくく、震災でも助かった例がたくさんあります。耐火金庫ならより安全でしょう。」
よく分かりました。さいごに、あなたが日頃お感じになっていることをお聞かせ下さい。
「はい。私は宝石の中でもいちばん脂になじみやすく、そのため、”他の
よりも汚れやすい”という体質をもっております。
例えば、いま奇麗に洗って、すぐに身に着けて、そのままお風呂に入りますと、もう、垢が着き、ガラス窓に手垢が着いたようになって、たちまち輝きを失ってしまうほどです。
前に、友人のダイヤから聞いた話ですが、三十年も指輪を外すことなく、そのままお台所をされていた方がおりまして、ねっとりしたダイヤをいざ宝石店で洗ってもらおうと、くいこんだ指からむりやり外してもらったところ、なんと、指輪の裏からご飯粒がでてきたというのです。
きっと、お米のかけらがいつの間にか入って、それがふやけてご飯になってしまったのでしょう。
洗おうとした宝石店もびっくりされたことでしょうが、その方のご主人も、さぞかし雑菌に強く「O-157」もなんのそのの体質になられているのではないかと思い、申し訳ないのですが笑ってしまいました。
いま、ダイヤをお持ちのお客様のほとんどが、このお話ほどではないにしても、輝きを失っている状態ではないでしょうか。
私は、宝石をお求めになるのは、どこか結婚生活に似ているのではないかと考えております。
恋愛から婚約、そしてゴールイン。結婚も宝石選びもゴールするまでには大変なエネルギーを使うし、その努力は快感でもあります。
しかし、それからの生活の方がはるかに長く大切だということはいうまでもありません。
あの、お買い求めになるときの品質にたいするこだわりを、ご自分のものにされたあとも持ち続けて頂きたいのです。
ダイヤは、中性洗剤と水とブラシで、ご自分でも、いとも簡単に奇麗にすることができます。
とはいうものの(洗えばあの品質になる)と思いながら汚れたまま持つのでは、私の輝く出番がありません。
宝石は美しいから宝石で、その美しさが永遠に持続するからこそ価値があると思うのです。
どうか、こまめに私を洗って下さって、その素晴らしい七色の輝く光りをいつまでもお楽しみ頂ければと思います。」
なるほど。今日は本音のお話しをおうかがいすることができ、いいインタビューになりました。
ありがとうございました。
◆ ダイヤモンドの豆知識 ◆
硬いことでも知られているダイヤモンド、日本語では金剛石と呼ばれます。
その「剛」とは硬さを意味しています。
宝石の硬度は、一般に「モース硬度」で表されますが、これは十九世紀初め、ドイツの科学者フリードリッヒ・モースが考案した硬度計で計った数値です。
一番硬いのが10、軟らかいのが1の10段階で表します。
ちなみに、鉱物の中で一番硬いダイヤモンドの硬度は10、ルビー、サファイヤが9、アレキサンドライト、キャッツアイなどが8.5、エメラルド、トパーズなどが8となっています。
さて、カッティングが命のダイヤモンド。はたして一番硬いダイヤモンドは何を使ってカッティング(研磨)するでしょうか。
実はダイヤモンドはダイヤモンドを使って研磨するのです。
十四世紀にこの研磨方法が生まれるまでは、ダイヤモンドと言えどただの硬い石と思われていただけだったそうです。
有名なブリリアント・カットの原型が出来たのが十七世紀末、さらに特権階級の女性に広まったのは、十九世紀になって、南アフリカのダイヤモンドラッシュが起きてからのことです。
意外に、ダイヤモンドの宝石としての歴史はまだ新しいと言えるでしょう。
ダイヤモンドは理想的なブリリアント・カットにより入射角がすべて上方に反射します。
さらに波長の差によって屈折率が違うため、その光が白色の場合、赤色から紫色までの七色のスペクトルに分散して、ダイヤモンド独特の美しい虹色に輝くのです。
メレダイヤモンドについて
メレダイヤモンドとは、宝飾業界で小さなダイヤモンドの事を言います。
中心の宝石の回りや横に飾りで留めたり、一列に並べてスイートテンリングやエタニティリングなど、活用方法はたくさんございます。
当店ではサイズは1.0mmから、金額は1650円からご用意しております。
ピンクダイヤモンドについて
ダイヤモンドの中でも希少価値の高いピンク色をしたダイヤモンドで、天然でピンクのダイヤモンドは主にオーストラリアのアーガイル産が品質と色彩が素晴らしいと言われています。
ダイヤモンドは炭素結晶ですが、ピンクダイヤモンドは微量の窒素原子が取り込まれ、その隣の炭素原子が欠けるとピンク色になると言われています。
ブルーダイヤモンドについて
ピンクダイヤモンド以上に数の少ないブルーダイヤモンドは、炭素原子が1億個の中に5個以下の割合でホウ素原子が取り込まれるとブルーになると言われていますが、その確率はほとんど奇跡としか言いようがありません。
天然のブルーダイヤモンドはとても希少で、市場では放射能により色を付けたブルーダイヤモンド(トリートメント処理)があります。
ブラックダイヤモンドについて
ブラックダイヤモンドが黒く見えるのはインクルージョンと呼ばれる内包部の黒い部分が色となって表れます。
同じく炭素で出来たグラファイトや鉄鉱石などの内包物があるとダイヤモンドにより反射して黒く見えます。
価格も比較的に安価で、男性の指輪などにも用いられることが多くあります。
ハート&キューピットについて
ダイヤモンドの代表的なカットであるラウンドブリリアントカットは、ある条件によって上部から見ると8本の矢に見える反射面が見えます。
また、裏側から見るとハートが8つ可愛らしく並ぶ反射面が見えるため、カット条件が良いダイヤモンドにハート&キューピットという名称を付けて表記しております。
カラーダイヤモンド
ダイヤモンドは無色透明と思われているのが一般的ですが、実は様々な色があります。
炭素だけで出来ているのがダイヤモンドですが、その中にほんのわずかな物質が入ることで色が変化するのです。
ピンクダイヤモンド、ブルーダイヤモンド、イエローダイヤモンド、グリーンダイヤモンドブラックダイヤモンドなどがあります。
鑑定書と鑑別書
数ある宝石の中で、ダイヤモンドだけにつくのが鑑定書です。
ダイヤモンドは4Cによる基準がありますので、それぞれに分類して評価します。
鑑別書は、石のランクをづけをせずに、あくまでもその石が何の宝石であるかを科学的に検査したものが鑑別書です。
保証書は、宝石を販売したお店が発行し、その宝石に対する保証を約束したものです。