トパーズの宝石言葉 友情・忠実
魅惑の輝きトパーズ
トパーズは硬度が高く、その輝きは強く、小粒のものでもかなり美しく輝き、友情を育む宝石と言われています。

トパーズの種類
トパーズはいくつかの種類があります。
①インペリアルトパーズ
②イエロートパーズ
③ピンクトパーズ
④ブルートパーズ
産地
ブラジルのミナス・ジェライス州が世界最大のトパーズ産地です。他には、ロシアのウラル地方、パキスタンなどでも産出されます。
色の種類
トパーズの色は、無色・淡いブルー・黄色・シェリー(オレンジのような黄色)・ピンクがあります。
色の輝き
トパーズの種類によっては異なりますが、インペリアルトパーズではシェリーカラーでブラウンみがからない濃いめのものが最高とされ、ピンクトパーズは、褐色みのない濃い目のものが素晴らしいとされます。
◆ 日本はトパーズの有力産地でした ◆
喜連川宝石研究所 所長 喜連川純氏著
宝石の街甲府の北に金峰山(きんぷさん二五九五m)という昔から水晶が採れる山があります。
明治の初期、ここで採掘された水晶のなかに、削るに硬く、ちょっと気を抜いて荒っぽく細工をすると竹のようにスッと直線にヒビが入ってしまうという、なんとも研磨職人泣かせの結晶がときどき混ざって産出されていました。
彼たちは、この結晶に現在は差別用語で絶対禁句のかたわ水晶という名前をつけ嫌っていましたが、なんと、この水晶に似た原石こそ、無色ではありますが宝石質のトパーズだったのです。
そのころトパーズは岐阜県の苗木、滋賀県の太神山(田上山・だながみやま600m)でも採れておりましたが、残念なことに日本人の鉱物にたいする知識がまだ目覚めていなかったということと、外国では日本産のトパーズはすでに有名だったということで、どんどん海外に持ち去られ、日本人が気づいたときにはすっかり採り尽くされたあとでした。
いまでは残念なことに、宝石質の原石はまったく産出しておりません。
しかし、外国では無色透明のトパーズが川のなかで角がとれて丸くなったものをドロップーオブーウォーターとよんで珍重していますし、そのぐらいのものなら苗木や田上の河原でもとれますから、わざわざではなんですが、行ったついでにひろってこられるのも一興だと思います。
それにしても、アメリカのニューヨーク博物館に、1463ctもの大きな卵形に磨かれた水色トパーズが展示されておりますが、これが日本の苗木産トパーズかと思うと、外国の博物館でしか往時の日本産トパーズをしのぶことができない現実を思い、なんだか悔しくなってくるのです。
◆ インペリアルートパーズ ◆
かずある黄色宝石のうち、黄色の王様といえば、その美しさと品格からいって断然トパーズということになります。
その黄色もただの黄色ではなく、トパーズの黄色はすこし赤みがかった黄色で、これに持ち前のテリ(輝き)が加わりますから、すばらしく魅力的な宝石になるわけです。
トパーズの代用石としてよく黄水晶(シトリン)がつかわれますが、本物のテリにはとうてい比ぶべくもありません。
このようなところから黄色の王様にふさわしく、また、他の黄色代用石と分けるという意味からも、本物の黄色トパーズには「インベリアルートパーズ」という特別な名前がつけられるようになりました。
ただ、例外として、やはりその美しさからでしょう、ピンクのトパーズにもこの名称がつかわれることがあります。
◆ トパーズの和名を黄玉といいますが… ◆
たしかに黄色の代表的な宝石に違いありませんが、トパーズは黄色だけではないのです。
さきほどの無色をはじめ、ピンクから赤、橙(だいたい)、淡い緑青色、それに水色から青といろいろな色のバラエティがあり、なかでもブルー・トパーズはさまざまな宝飾品をいろどる素材として重要な位置をしめておりますし、人気の宝石でもあります。
はなしは変わりますが、先日テレビを見ておりましたら、地球の温暖化で、アラスカのベーリング氷河の先端が大きく崩落し、
その氷の断層がなまなましく露出している映像がありました。
瞬間、わたしの眼は温暖化の問題よりも、崩れた断層のあまりに美しい青に引き込まれ、その迫力と息をのむような美しさに、しばし、眼がテンになってしまったのです。
それは、なんとすがすがしい、心を浄化させるような青だったことでしょう。
もし、この色を宝石にしたら…わたしはすぐ、
そうだブルー・トパーズの色だと思いました。
ほんとうに、ブルー・トパーズの青は、サファイアやアクアマリンにはない、人を引き付けるような不思議な魅力があります。
まだごらんになったことがないのなら、ぜひこの際見ていただきたいものです。
トパーズは、十一月の誕生石(守護石)ですが、結婚十六年の記念石(トパーズ婚)でもあります。
そして、嬉しいことに、どの色のトパーズをおつかいになっても霊験に変わりはなく、持ち主に幸運をもたらしてくれます。
ただ、この宝石は水晶とちかって、ダイヤモンドーパウダーで磨かなくてはならないほど硬いのですが、衝撃に弱いので、ぶつけたり落としたりしないようにご注意ください。
まあ、おでかけのときだけおつかいになったほうがよろしいでしょう。
洗い方としましては、ぜったい、超音波洗浄器にかけないで、手洗いだけにしてください。
それで十分奇麗になると思いますので。