ガーネットの宝石言葉 友愛、貞節、堅実
身に着けていると永遠の友情と信頼をもたらすといわれ、また己の身を守ってくれると伝えられている宝石です。
語源
ガーネットはラテン語の「ざくろ」を意味するグラナトゥムに由来し、日本でも柘榴石と呼ばれることがあります。
産地と品質
タンザニア、スリランカ、インドから産出されますが、カットの特徴を除くと、産地ごとの特色に大きな差は見られません。
今、最も注目を集めているのが明るめのロードライトガーネットやその他にも産出量の少ないグロシュラライトがあります。
色の種類と価値
ガーネットは赤系統のものが多いのですが、橙、黄、緑など、青を除いて様々な色があります。
ルビーと違って、紫味の赤で、透明度が高く、中くらいの明度が最高とされます。
また、赤系統の宝石を見るときは必ず自然光で判断するのがポイントです。
◆ ガーネット ◆
喜連川宝石研究所 所長 喜連川純氏著
1月の誕生石「ガーネット」のワインレッドの赤は、血の色を連想させるということもあり、古代の人々は、この赤い宝石には止血作用があり、ものごとを静めると信じていたようです。
中世では、赤尾ルビーやガーネットには、中に炎がかくされていて、魔力を持っている、と信じられていたほど、つまり、心の底で静かで熱い炎を燃やすクラシカルで情熱的な宝石が、深紅のガーネットというわけです。
詩人のゲーテの恋人、ウルリケは、デートのときには必ず、代々、家に伝わるパイロープ・ガーネットを身につけていたと言われています。
赤いガーネットを着けるとけがをしない

◆ カーバンクル ◆
ガーネットは、古代エジプト時代から「護符」として大切に用いられたもっとも古い宝石です。
なかでも、丸くカボッションカットにした赤いガーネット(カーバンクルといいます)は、これを持つと負傷しないということで十字軍の兵士たちがみな身に着けて戦場におもむいたという歴史的事実があるほどです。
その頃のガーネットは、シレジア(ポーランド南西部)にあったゼブリッツ鉱山のもので、かなり良質のものが大量に産出されていたようです。
その鉱山もやがて涸れ、ふたたび発見されたのが、十九世紀後半に見つかったチェコ西武のトレムニッツ鉱山でした。
その頃イギリスはビクトリア女王の時代。
今ブームのアンティーク・ジュエリーにこのボヘミア地方のガーネットが盛んに使われているのもうなずけますね。
アンティークの宝飾品をご覧になる機会がありましたら、ぜひそれに使われているカーバーングルに目を留めてみて下さい。
多面にカットされているガーネットとちがい、カボションカットのガーネットは、それだけでもアンティーク特有の、手作りのあたたかさと雰囲気をもっているものです。
◆ ガーネットの種類と色 ◆
さて、突然ですが、酒屋で「お酒を下さい」といっても、ビールかワインか日本酒のことをいっているのか、店の方にはとんと分かりません。
「ガーネット」という名称もそれだけでは「酒」といっているのと同じで、一種類の宝石名を指しているのではないのです。
ガーネットは大別すると、赤が基調のパイロープ、アルマンディン、スペッサルティンと、緑色が基調のウバロバイト、グロッシュライト、アンドラダイトの六種類があり、お酒の米、麦、ぶどうのようにそれぞれガーネットを作っている成分が違います。
さきほどのカーバンクルの多くパイプロープ・ガーネットをカットしたものですが、なかにはアルマンディンでできたものもあります。
また、宝石店でよく見られるロードライト・ガーネットとは、アルマンディンとパイロープの中間タイプで、いわば、お酒のカクテルのようなガーネットといえるでしょう。
このほか、ヒスイやエメラルド、トパーズ、ペリドットとそっくりのガーネットもありますが、うれしいことにどの種類のガーネットを着けても誕生石のパワーには変わりはありません。
また、誕生石の本来のすがた、つまり原点はその月々を守る守護石なのですから、一月になりましたら、どなたもガーネットを身に着けると厄よけと運が向いてきますし、一月生まれの方が着けますとさらに相乗効果でパワーがアップされることになります。
しあわせがやってくる期待と、さらに美しくなることを想い描きながら一月はガーネットでのおしゃれをお楽しみください。